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フェルメール《地理学者》とオランダ・フランドル絵画展 レビュー

先週末、渋谷のBunkamuraで開催中の
『フェルメール《地理学者》とオランダ・フランドル絵画』展を鑑賞してきた。

フェルメール《地理学者》とオランダ・フランドル絵画展

フェルメール《地理学者》とオランダ・フランドル絵画展

展覧会の出品作品は、
フェルメールの『地理学者』を含む、
17世紀のオランダ・フランドル絵画 95点。

目立った大作の出品はない(目玉として扱われている『地理学者』も、
フェルメールの第一線級の絵画という訳ではない)ものの
歴史画、肖像画、風俗画、静物画等の
各ジャンルで、秀作、佳作が展示されており、

この春東京で開催されている展覧会の中では、
写楽展、レンブラント展に次いで質の高い展覧会かと思う。

鑑賞の参考までに、
以下、展示セクション(全5部)別に
見どころとなりそうな作品、面白いと思った作品等を列挙する。
(※印のものは特に見どころと思った作品)

1. 歴史画と寓意画

・ルーベンスとヤン・ブックホルスト『竪琴を弾くダヴィデ王』 ※
・レンブラント『サウル王の前で竪琴を弾くダヴィデ』 ※

上記2点は有名画家による作品だが、共に質的にかなり優れていて、
展覧会の全出品作品の中で、じっくり鑑賞したい作品の筆頭に挙げられる作品かと思う。

2. 肖像画

・フェルディナント・ボル『若い男の肖像』
・レンブラント『マールトヘン・ファン・ビルダーベークの肖像』
・フランス・ハルス『男の肖像』

肖像画のセクションはどの作品もかなり似通った質(秀作揃い)だったが、強いて挙げるならば
上記3点の作品が比較的優れているように思った。

3. 風俗画と室内画

・ヨハネス・フェルメール『地理学者』 ※

フェルメールの数少ない現存絵画の1点。

『絵画芸術』、『牛乳を注ぐ女』、『デルフトの眺望』、『真珠の首飾りの女』等、
フェルメールの最上級の作品群と比べると、
人物表現・空間表現の自然さ(完成度の高さ)、構図・色彩の洗練度等の面で若干質が落ちるかと思うが、
かなり優れた作品であることに変わりはないので是非じっくり鑑賞したい。

・ヘリット・ダウ『夕食の食卓を片付ける女性』
・ピーテル・コッド『演奏家たち』
・アドリアーン・ブラウエル『足の手術』
・アドリアーン・ブラウエル『背中の手術』
・アドリアーン・ファン・オスタード『納屋で畜殺された豚』

風俗画のセクションでは、フェルメール『地理学者』以外に、
上記5点をはじめとする、主題に面白みのある作品(教訓的な主題、日常の光景、グロテスクな対象等)が
色々展示されている。

4. 静物画

・ヤン・ブリューゲル(父)の工房『ガラスの花瓶に生けた花』 ※
・アブラハム・ミフノン『合金の盆の上の果物とワイングラス』
・ピーテル・ド・リング『果物やベルクマイヤー・グラスのある静物』

静物画のセクションは全般的に良い作品が多いと思ったが、
特に上記3点は描写力、構図・色彩の調和等の面で優れているかと思う。

5. 地誌と風景画

ヤン・ブリューゲル(父)『人物のいる森の風景』
ヘルマン・サフトレーフェン『絶壁のある川の風景』
ヤン・ファン・ホイエン『ハールレムの海』 ※
ヤーコプ・ファン・ロイスダール『2羽の白鳥のいる森の湖』 ※

風景画のセクションは、出品点数が、全体の3分の1以上に当たる37点と多く、
質、主題、描き方等は作品ごとにまちまちだったが、
上記4点をはじめ、優れた風景画も10点前後含まれていた。

最後に、この展覧会、
広告、チラシ、展覧会タイトル等ではフェルメールの『地理学者』が
大きな目玉として宣伝されているが、

実際のところ
フェルメール『地理学者』のみが出品作品の中で突出して優れているという訳ではなく、

上記の通り、各絵画ジャンルで
良作・秀作が数点〜10点程度均等に展示されている展覧会なので、

見に行かれる方は、各セクション、各作品に
比較的均等に時間をかけて鑑賞されることをおすすめする。

おすすめ度 ☆☆☆☆

[開催情報]
会期  2011年3月3日〜5月22日
会場 Bunkamura ザ・ミュージアム
開館時間 10:00〜19:00 (金、土曜は21:00まで開館)
休館日 なし
入場料 大人1500円、大学生・高校生1000円、中学生・小学生700円
※最新の開館情報は公式ホームページで要確認

[巡回情報]
2011年6月11日ー 8月28日 豊田市美術館

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