6月上旬、神奈川県立近代美術館 葉山館で開催中の「モホイ=ナジ/イン・モーション」展を鑑賞してきた。
構成主義の美術家・写真家、バウハウスの教師として知られるモホイ=ナジは、
20世紀前半の前衛芸術運動に参加して「光と運動による造形」という創作理念を確立し、
ハンガリーからウィーンへ、そしてドイツ、オランダ、イギリスを経てアメリカへと、
自らも世界の都市を移動しながら、多様な造形・教育活動を行いました。 ・・・
本展は、多数の貴重な未公開作品を含む遺族所蔵のコレクションを中心に、
ハンガリー時代の絵画、キネティック彫刻の代表作《ライト・スペース・モデュレータ》、
カメラを使わない写真技法「フォトグラム」、アメリカ時代のカラー写真など、
国内外の美術館から集められた約300点の作品・資料によって
モホイ=ナジの仕事を展望する日本で最初の回顧展です。
その多くが国内初公開となります。
「モホイ=ナジ/イン・モーション」展は、近代の写真史、デザイン史上に
重要な役割を果たした芸術家の一人であるモホイ=ナジの個展である。
展示は、彼が活動した都市と時代によって全5章に区切られている。
展示構成
・第一章 ブダペスト 1917-1919 芸術家への道
・第二章 ベルリン 1920-1922 ダダから構成主義へ
・第三章 ワイマールーデッサウ 1923-1928 視覚の実験
・第四章 ベルリンーロンドン 1928-1937 舞台美術、広告デザイン、写真、映画
・第五章 シカゴ 1937-1946 アメリカに渡ったモダンアートの思想
第一章では、
モホイ=ナジがまだ彼自身の様式を見いだす前の、模索期の作品が20数点展示されている。
当時流行だったと思われる、表現主義的な様式に則ったデッサン、絵画等。
第二章では、
モホイ=ナジ独自の構成主義的様式が開花した、
特徴あるコラージュ、版画、写真作品等が50数点展示されている。
近代デザインの様々な文法を先駆的に視覚化した
コラージュ、版画群(作品番号Ⅱ-012〜Ⅱ-037)、
独自の構図上の特徴を持つ写真群(作品番号Ⅱ-044〜Ⅱ-058)等
見どころとなる作品が多い。
第三章では、
バウハウス時代に制作された構成主義的写真作品、同校の出版書籍等
質・量ともに充実した計約100点の作品・資料が展示されている。
前章に引き続き、優れた写真作品が多く展示されている。
第四章では、
舞台美術、映像作品、写真、ブックデザイン等、
バウハウス離脱後様々な分野に活動の範囲を広げた足跡が70数点展示されている。
展示作品中では、写真、映像作品に興味深い作品が多かった。
第五章では、
アメリカ時代のデッサン、油絵、写真等が40数点展示されている。
モホイ=ナジは、
その功績と比べ知名度、作品が展示される頻度等は相対的に低いもしれないが、
非常に興味深い芸術家であるし、
また、この展覧会の内容自体も、
彼の芸術の概要を理解するのに足りる包括的なものになっている。
近代写真、デザイン等に
興味がある方にはおすすめの展覧会だ。
おすすめ度:☆☆☆+☆半分
[開催情報]
会期 2011年4月16日~7月10日
会場 神奈川県立近代美術館 葉山館
開館時間 9:30~17:00
入場料 大人1100円、20歳未満・学生950円、65歳以上550円、高校生100円
公式ホームページ http://www.moma.pref.kanagawa.jp/museum/exhibitions/2011/nagy/index.html
[巡回情報]
2011年7月20日ー 9月4日 京都国立近代美術館
2011年9月17日ー 12月11日 川村記念美術館


Post a Comment